仮想通貨に関する金融庁の役割と対応
仮想通貨に対する安全性のチェック機関
日本政府はキャッシュレス化を進めたいという思惑がある一方で、仮想通貨に関する詐欺事件なども横行していることで頭を悩ませています。仮想通貨は今までの通貨と違い、国の認可を受けなくてもいいという点や、海外との取引が容易であるというメリットがあります。
一方でその安全性と仮想通貨を悪事に利用されるケースがあるといったデメリットも存在しています。そんな仮想通貨に対して金融庁はどのような対応をとっていくのでしょうか。ここでは2018年6月現在の時点で、金融庁が仮想通貨に対してどのような対応をとっているかという点をまとめていきたいと思います。
まず仮想通貨に対する金融庁の役割ですが、一言で言うと仮想通貨が安全に運用されているかどうかのチェック機関のような役割をもっています。仮想通貨は近年登場した新しい概念で、しばらくの間金融庁は仮想通貨に対する対応は特にしていませんでした。
しかし2018年1月大手仮想通貨取引所のコインチェックで、仮想通貨NEMの情報が流出し、仮想通貨が盗まれるという事件が起きました。これに対して金融庁は仮想通貨研究会という研究会を立ち上げ、仮想通貨取引所に関しては金融庁の認可を受けなければならないとしました。
その後16社が仮想通貨の取引所として認可される一方、FSHOなどみなし仮想通貨交換業者3社に対し、業務停止命令や業務改善命令を行いました。現状の金融庁の対応は後手後手に回っていることから、批判的な意見もありますが、金融庁としては慎重な姿勢を貫いています。
NEM事件以降審査はより厳格化
先ほども説明しましたが、金融庁が仮想通貨の安全性チェックに本格的に乗り出したのは、コインチェックによるNEM流出事件以降です。仮想通貨はブロックチェーンという仕組みを利用して運用されていましたが、それだけでは万全でないことがNEM流出事件で判明したということです。NEM流出事件の問題点としては、コールドウォレット運用がされていなかったことが指摘されています。
ブロックチェーンは取引情報を多くの取引台帳に記録し、それをつなぎあわせるというものです。しかしそれをオンライン上で行っているため、ブロックチェーンを上回るハッキング技術が登場し、仮想通貨が盗まれるという事態に陥りました。コールドウォレット運用とはインターネットから遮断されたウォレットで、仮想通貨を運用する仕組みです。
もちろんこの仕組みも、ウォレットを管理する人が物理的に狙われるリスクがあります。しかしオンライン上でハッキングに合う可能性を考えると、現状ではコールドウォレット運用を推す声も大きくなってきています。金融庁はこうした現状も踏まえた上で、今後仮想通貨の安全性を守っていくためにどのような動きをするのか注目されています。
仮想通貨の今後を予想
仮想通貨の需要は増えて行く
まだまだ多くの課題を抱えている仮想通貨ですが、仮想通貨自体の需要は今後増えていくと思われます。インターネットの発達によって、世界はよりつながりが深くなり、ボーダーレス社会がどんどん進んできています。
ボーダーレス社会を実現するためには、お金に関しては電子上の取引をするほうが圧倒的に効率がよいので、そのためにも仮想通貨の役割が期待されています。仮想通貨は国境を越えて、簡単に取引できる点が高く評価されています。
日本ではまだまだキャッシュレス化が進んでいないですが、ほかの国ではキャッシュレス化がかなり進んできています。クレジットカードの普及も大切ですが、それとともに仮想通貨の普及が今後のボーダーレス社会には必要不可欠と言われています。
NAMコインの事例
また仮想通貨は新規事業の立ち上げにも大きく貢献すると言われています。その最たる例がNAMコインです。NAMコインは仮想通貨取引に使われるブロックチェーンの仕組みを、医療分野に応用した仕組みを作ろうとしています。従来までは新たな事業を立ち上げようとした場合、銀行などからお金を借りるケースが多かったですが、NAMコインの場合は資金調達も仮想通貨を利用しています。
資金を調達するためにNAMはNAMコインという仮想通貨を発行し、それを購入してもらうという仕組みを作りました。事前に購入されたNAMコインはトークンという形で発行され、NAMコインの価値が上がっていけば、投資した人たちも潤うという仕組みです。もちろんそのトークンをNAMのサービス支払いに充てるという方法も可能です。
株式会社が株を発行する仕組みに似ていますが、仮想通貨の方が多くの人から資金を集めることが可能になります。こういった新規事業立ち上げにも仮想通貨は有効とされていますので、今後仮想通貨の需要はますます増えていくのではないでしょうか。
今から仮想通貨を始めるためにやるべきこと
仮想通貨に関する知識をしっかりと得る
仮想通貨に興味を持って、今後仮想通貨を購入したいという人は、まず仮想通貨に関する知識を得ることが大切です。巷では仮想通貨に関するセミナーや勉強会がたくさん開催されていますが、中には詐欺まがいのものも残念ながら存在します。せっかく仮想通貨に興味をもっても、正しい知識を身につけなければ意味がありません。
そのためには本やSNSで知識を得ることが大切です。本は最新の情報を手に入れるには向いていませんが、しっかりと校正がされているので正確な情報が手に入ることが多いです。SNSは無数の情報があり中には変な情報も混じっていますが、情報の鮮度はもっともいいです。このように複数の情報源からしっかりと知識を得て、仮想通貨に対する理解を深めることが大切です。
実際に仮想通貨を購入してみる
仮想通貨に関する知識を得るとともに、実際に仮想通貨を購入することも勉強として大切です。本やSNSで知識を得ていても、実際にやってみてうまくいかないというケースはたくさんあります。仮想通貨は危険というイメージがあるかもしれませんが、投資する金額を少なくすれば失敗した場合のリスクを抑えることはできます。
仮想通貨の取引所には会員登録をして、その後入金をすれば誰でも仮想通貨を購入することができます。はじめは小額からでいいと思いますので、しっかりと実践しながら仮想通貨に対する理解を深めていきましょう。
仮想通貨初心者におすすめの取引所
GMOコイン
仮想通貨をはじめようと思ったら、まず仮想通貨取引所に登録をするところからはじまります。しかし仮想通貨取引所はたくさんあり、どこに登録していいのか迷う人も多いのではないでしょうか。ここでは仮想通貨初心者におすすめの取引所を紹介しています。もちろんここで紹介する取引所は、すべて金融庁の認可を受けている取引所です。
まず紹介するのはGMOコインです。GMOコインは取引手数料、即時入金手数料など各種手数料が無料です。そのため小額から仮想通貨をはじめようとする人でも、気軽に取引ができ仮想通貨初心者にもおすすめの取引所です。
BitTrade(ビットトレード)
続いて紹介するのはBitTrade(ビットトレード)です。BitTrade(ビットトレード)ではビットコインやイーサリアムといった主要銘柄から、リップルやモナーコインといった国内では取り扱いの少ないコインまで、たくさんの銘柄を取り扱っています。そのためたくさんの銘柄に触れることができるため、仮想通貨の勉強としてはおすすめの取引所です。
QUOINEX(コイネックス)
最後に紹介するのはQUOINEX(コイネックス)です。QUOINEX(コイネックス)ではすべての取引を、コールドウォレットで行っている国内唯一の取引所です。コールドウォレットはより安全性が高いといわれていますので、セキュリティ面重視で取引所を選ぶのであればおすすめの取引所です。